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超降神術のコラム〈第4回〉密教秘術業(ごう)―カルマ

ご相談を受けていて、その人の過去の行いが、現在に影響を及ぼしている例は実に多いものです。本人にとっては私ども霊能者に聞かれるまで忘れていたような些細な出来事。ところが実は、それが問題の根幹となっている場合もあるのです。そんなとき、私どもは「業」というものの深さを痛感します。

業とは仏教の基本概念である梵:(Karma)を意訳したもの。釈迦が仏教を説く以前から、従来のバラモン教に属さない自由な思想家たちが現れ、彼らの思想哲学の中から業も生まれたとされています。一般には過去の悪い行いを指しますが、善い行いも含みます。

仏教では下記の三業という概念があり、これらを離れ、善業を務めることが大切とされます。

  • 身業(しんごう)……身体の上に表れるすべての動作のこと。悪業で偸盗(ちゅうとう)、邪淫、殺生など。
  • 口業(くごう)……口の動作、つまり言葉のこと。悪業では妄語、両舌、悪口など。
  • 意業(いごう)……意識、心の動きで起こすこと。悪業では貪欲、瞋恚(しんい)邪見など

ちなみに、密教では、身密、口密、意密の三密により、仏の微妙なる働きを思い、修業します。

釈迦の言葉に次のようなものがあります。

「人間は生まれによって尊いのでも賤しいのでもない。その人の行為によって尊くも賤しくもなる」

「過去を知りたければ、今の人生を見よ。未来を知りたければ、今の人生を見よ」

これも業説に基づいていわれた言葉。行いによって因果関係が生じると語っているのです。仏教では因果の連鎖が三世かそれ以上の世代まで及ぶとしており、業は永遠であると説いています。

現代でも仏教のこの概念は変わりません。だから、私ども霊能者は皆さんにお伝えしたいのです。今の悩みを嘆く前に、過去の行いを反省しましょう。未来をよくしたいのなら、現在の行いをよくしましょう。

善業を積むこと。これが何よりの幸福への近道です。

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