密教秘術のコラム〈第5回〉密教秘術マントラを唱えよう
第2回の本コーナーで、加持祈祷について述べました。その中で真言(マントラ)を唱える「口密」についてもふれています。
マントラとは、本来「文字」「言葉」を意味するサンスクリット語。密教では仏に対する讃歌や祈りを表現した短い言葉を差しています。仏教の開祖である釈迦は一部を除き、マントラの読呪を禁じましたが、密教において再びマントラが唱えられるようになりました。密教ではマントラを念じて精神を統一する、真言陀羅尼(しんごんだらに)が重視されています。
仏教発祥の地、インドで最も有名なマントラが「オーム」(A・U・M)です。数珠を繰りながらマントラを唱えていくうちに、神仏とのチャネリングが始まります。
今回は、各如来・菩薩とチャネリングをするためのマントラを紹介します。自分の干支の守り本尊である如来・菩薩のマントラを朝晩唱えましょう。それを唱える前に、すべてに共通するチベットの倍音声明法を紹介します。
「ンー、イ、エ、ア、オ、ウ、ムー」
「ンー」は断続的に発声します。「イ」には「気」を上げる効果があり、力強い意志がみなぎります。「エ」はのどに相当する第5チャクラを活性化させ、表現力やコミュニケーション能力が高まります。「ア」は胸に相当する第4チャクラを活性化させ、愛や許しの情を得られます。「オ」は頭頂部に相当する第7チャクラを活性化し、神仏を呼びかけるパワーが出ます。「ムー」はへその下に相当する第2チャクラを活性化し、相手を尊重することができるようになります。
子年:千手観音
子年の守り本尊、千手観音のマントラ
「オン、バザラ、タラマ、キリク」
丑年・寅年:虚空蔵菩薩
丑年と寅年の守り本尊、虚空蔵菩薩のマントラ
「ノウボウ、アカーシャキャリバヤ、オン、アリキャ、マリボリ、ソワカ」
卯年:文殊菩薩
卯年の守り本尊、文殊菩薩のマントラ
「オン、アラハシャノウ」
辰年・巳年:普賢菩薩
辰年と巳年の守り本尊、普賢菩薩のマントラ
「オン、サンマヤ、サトバン」
午年:勢至菩薩
午年の守り本尊、勢至菩薩のマントラ
「オン、サンザンサクソワカ」
未年・申年:大日如来
未年と申年の守り本尊、大日如来のマントラ
「オン、バザラダトバン」
酉年:不動明王
酉年の守り本尊、不動明王のマントラ
「ノウマク、サマンダ、バザラダン、センダマカロシャダ、ソワタヤ、ウンタラタ、カンマン」
犬年・亥年:阿弥陀如来
犬年と亥年の守り本尊、阿弥陀如来のマントラ
「オン、アミリタ、テイゼイ、カラウン」
自分の干支に合ったマントラを唱え続けていると、悩みが解消され、全身がエネルギーに満ちた状態となります。ぜひ毎日の習慣にしてください。