交霊魔術のコラム〈第5回〉交霊魔術五芒星のパワー
皆さんは図のマーク、ご存知でしょうか?単なる星の形ではありません。魔術の世界では「五芒星」もしくは「ペンタグラム」と呼ばれ、非常に重要な記号なのです。
デンマークのカステレット要塞、北海道の五稜郭、長崎市の市章は五芒星をもとにしたものです。
五芒星は世界中で守護の記号として使われてきました。その起源は非常に古く、紀元前のメソポタミア時代の書物に、すでに登場しています。古代バビロニアでは、地母神イシュタルの象徴である金星を表す記号としても使われました。また、エジプトでは子宮を表していたことから、性的な意味合いがあったとも考えられています。後のヨーロッパでは五芒星のそれぞれの頂点に「火・水・風・土・霊」を対応させる考え方が定着しました。
日本では平安時代の陰陽師、安倍清明がこの記号を魔除けの呪符として使用しました。そのため、彼の名前を取って「セーマン」とも呼ばれます。
また、明治時代になると、大日本帝国陸軍では大将から兵卒まで軍帽に五芒星が刺繍されていました。これには、弾除け(多魔除け)の意味があったという説が残されています。
五芒星は図のように鋭角が上を向いている状態なら、聖なる記号として魔除けや邪悪なものを封印する目的で使われます。しかし、これが上下逆向きになると一転して悪魔を召喚する際に使う、邪悪の象徴となるので注意してください。
さらに、五芒星を描く際にも注意が必要です。五芒星には邪悪なものを封印する力がある一方、「解放」の力を発揮することがあるからです。
上→左下→右→左→右下→上と描くのが正解。これを上→右下→左→右→左下→上と描いていると、邪悪なものを解放させてしまうことになるので、まちがえないようにしてください。