密教秘術のコラム〈第7回〉密教秘術四国遍路の心得
前回、「お遍路」の歴史について紹介しました。今回は現代でお遍路をする際の作法を紹介しましょう。
まず服装ですが、白装束が基本です。心を無にして、仏の教えに染まるという意味があります。頭にはすげ笠をかぶります。笠には「迷うが故に三界は城、悟るが故に十万は空、本来は無東西、何処に南北有らんや」と書かれています。この服装にずだ袋を肩に背負い、金剛杖をついて歩くのです。さて、お寺のお参りの作法ですが、山門では一礼して合掌します。次に手を洗って、お参りします。鐘楼で鐘を鳴らす場合は、この時に鳴らします。「入り鐘」「出鐘」と呼ばれ、出鐘はあまり好まれません。
本堂ではロウソク1本とお線香を2、3本お供えします。これには仏に明かりを灯し、自分の心にも智慧の明かりを灯す意味があります。次に納め札に願いを託して本堂、大師堂に納めます。白い納め札は1~4回四国遍路をした人、青い納め札は5~7回、赤い納め札は8回以上、銀の納め札は25回以上、金は50回以上、錦の納め札は100回以上四国遍路をした人が納めます。
そして、お大師堂へ行き、お参りします。お参りが終わったら、納経所へ行き、掛け軸、帳面、白衣に納経してもらいます。
宿に到着したら、自分が休む前にまず杖を洗います。食事の際は以下のように唱えてからいただきます。
「一滴の水に天地のはからいを知り、一粒の米の恵みに込められた、万民の労苦を感じ、ありがたくいただきます」
仏様・大師様を身近に感じ、自分の心身を鍛える四国遍路。貴女もいつか挑戦してみてはいかがでしょうか?