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交霊魔術のコラム〈第7回〉交霊魔術ブードゥー教の呪術

ブードゥー教とは、カリブ海の島国ハイチやアメリカ南部のニューオリンズなどで信仰されている民間信仰。16世紀から19世紀にアフリカの黒人たちが奴隷として強制労働させられ、カリブ海へ連れてこられたのが発端です。その中のフォン族による伝承・信仰がキリスト教と混合し。ブードゥー教へと形作られていきました。

ブードゥー教で有名なのは、ブードゥー人形。もともとは人形を恨む相手に見立て、針を刺すという呪術でしたが、昨今では願かけをするラッキーグッズとして人気を集めています。日本でもインターネットなどで買えるようになりました。

また、ブードゥー教はゾンビパウダーでも知られています。

ゾンビと聞けば、アメリカのホラー映画に登場する、腐った死体を想像する方が多いでしょう。ところが、実はゾンビは腐ってはいません。ゾンビは生前に罪を犯した者への罰であり、ゾンビにされる恐怖が社会的秩序を守っているという側面もあるのです。

ゾンビを作るのに欠かせないゾンビパウダーには、以下のものが必要です。

雷石(稲妻の霊ソボとシャンゴによって作られた神聖な石)にアルコールをかけ、粉々に砕いたもの。死体の骨(ゾンビにする死体とは別のもの)をすり潰した粉、トカゲ、ヒキガエル、ねむの木、ボア・グラテ(痒い豆)、フグ。

これらをボールに入れ、手袋をして、触れないようにしながら混ぜます。次に解毒剤として、バヤボンドの葉を一つかみ、アヴェの枝2本、レモン3個を粉末にしてつぼに入れ、二日間地下に埋めておきます。さらに肌が触れるとかぶれる植物を4種類、幻覚作用のある植物を2種類混ぜ合わせます。

そして、ゾンビにしたい相手の家の前に十字架の形にゾンビパウダーを途切れなくまきます。すると、その粉の毒が足から吸収され、相手は顔色が悪くなって感覚が狂い、そのまま死んでしまうといわれています。その後、埋葬された相手を密かに掘り出し、解毒剤を与えます。長い間埋葬された後だと死体が腐敗してしまうため、埋葬後すぐに行われます。

ブードゥーでは死んだらロア(ブードゥーの神)になったり、生まれ変わったりすると考えられていますが、ゾンビになったら、それも不可能。ゾンビにされるのは死ぬよりも恐ろしい刑罰なのです。

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