霊能者が語る、運の良し悪し判断について

鑑定依頼としてよく聞かれることに、「私の○○運ってどうなっていますか？」や「これからの運勢を見てほしいんですけど」など、当たり前のようだけど、漠然とした「運」に関することが多くあります。もちろん、鑑定師としてはきちんと占わせて頂きますが、多くの人が「運」のことを変えられない、すでに決定しているものだと思っているところが気になります。

確かに、「運」というものは自分の意思や力の及ばないところで、大きな流れによって決められているものではあるのですが、完全に受動的なものではありません。「運」というのは、人が思っているよりもずっと、自分の力でどうにかできるものです。

例えば、大事な試験を前に、自分の運勢が低迷していると感じている時や、占いなどで運勢が悪いと出ているような時、「こんな状況じゃ合格は無理だ……」とすぐに弱音を吐いて諦めてしまう人。恋愛の場合なら、せっかく意中の人といい感じになっているというのに、恋愛運が悪いというだけであと一歩を踏み出せず、気付いたら相手が他の恋人を作ってしまっていたという人。そして、結果が悪い方向に出た時には、「運が悪かったから」と言ってすべて運のせいにしてしまう人、いませんか？

自分に降りかかる悪い出来事をなんでも「運」のせいにしてしまうのは、努力不足のように思います。もちろん、努力したからといって必ずしも良い結果が得られるとは限りませんが、これでは悪いとされている運気を自分でもっと下げてしまうことになります。この場合共通するのは、「自信のなさ」。自分に自信が持てないことを「運」のことにすり替え、誤魔化していますね。それではいけません。

運が良い人、常に運勢が上昇方向にあるような人はだいたい、自分に自信を持っています。抽象的な言い方になりますが、「あの人輝いているな～」と思わせるような人のことですね。では、そういった人は元から運が良いのでしょうか？そして、運だけが良いのでしょうか？結論から言うと、それは違います。 人は「運」を引き寄せることができるのです。もちろん絶対ではなく、大きな流れの中でどうしても避けることのできないものもありますが、それでも、運命と言われるものですら、自分の力で変えて行くことができます。ではどうやってそれを変えてゆくのかと言えば、答えは意外とシンプルで、「状況を良くしようと努力すること」なんですね。目標に向かって努力するのもいいですが、それ以外にも、普段の生活の中で自分を磨く努力をすること。コツコツとでも、何かを積み重ねているうちにそれが自分への自信となって現れてきます。努力から生まれるこの自信こそが、想像以上に良い運気を呼び込むのです。

例えば、前の彼氏にふられて以来しばらく恋人ができず、適齢期とあって焦り始めていたA子さんが、仕事の悩みもあって相談にみえられました。来られた時の彼女の表情を霊視するととても不安げなもので、透視や霊視の結果も正直あまりいいものではありませんでした。「2、3年もすれば今の困難もなくなるけれど、しばらくはこの状況が続きます」とお伝えしたところ、肩を落とされた様子ですが……、しばらくして再び、そのA子さんが明るい声で電話をかけてこられました。話を聞いてみると、新しい恋人ができ、仕事の方も上手く行き始めたのだとか。嬉しい報告に、新たに占ってほしいと言われたA子さんの未来も、以前とは違う明るいものが見えました。こういうことは時々あるのですが、少し気になり、何が彼女を変えたのかを訊ねてみました。 前回の占いで良い結果が得られなかったA子さんは、落ち込みもしたけれど、どうせ上手くいかないならと肩の力を抜いて、他の人のところに幸福が訪れるようにサポートに回ることにしたのだとか。友人の恋を応援したり、仕事でも目立たないところを支えたりしているうちに、周りに感謝されるようになり、なぜだか自分のことも上手く行くようになったのだそうです。 今度は明るい声のままお電話を置かれたA子さんですが、彼女が取った行動こそ日々の中での努力であって、人のためにとしていたことが自分を磨き、そのことが自らの運勢をも良い方向へと変えたのがよくわかりました。彼女の努力は不安を抱えていた自らに自信を与え、その自信の生み出すパワーが、本来の彼女が望む未来を引き寄せたのですね。

このように、自信を持つこと、その自信を持つために行動することはとても大切なことです。自分や誰かのために一番いいと思えることを選び、実行すること。それを続けること。「今」のあなたの行動が積み重なり、未来を作ります。自分の未来に良いものを期待するのであれば、必要以上に「運」に気を取られることなく、未来に向けての「今」を積み上げて行くのがもっともシンプルで、一番の近道ではないでしょうか。