電子機器で霊界と交信できるか?
あなたは、亡くなった人と話がしてみたいと思ったことはありませんか? 霊能力がない人があの世にいる人と交信するためには、霊能者の力を借りて霊媒を行ってもらうのが一般的ですが、電子機器を使った交信方法もあるのです。アメリカをはじめとする欧米諸国では、「電子音声現象」と言って、1980年代以降さかんに研究が行われました。今回は、電子機器で霊界と交信できるかについてお話ししたいと思います。
電子音声現象とは
録音機に亡くなった者の声が混入することを、「電子音声現象(Electronic voice phenomenon)」と言います。1901年、アメリカの民俗学者ヴァルデマール・ボグラスが死者の声を録音したと初めて報告されて以降、人間の人格は肉体の死後も存続するかという議論が活発になされました。この研究は「インストゥルメンタル・トランスコミュニケーション(Instrumental Transcommunication、以下ITC)」と呼ばれ、あの有名な発明家、トーマス・エジソンも死後の世界と交信するための機器の開発に乗り出していたと言います。
あの世から映像が届く
ITCは、1980年代以降、ヨーロッパやアメリカで大きな広がりを見せます。亡くなった人たちは、音声により霊界で生きていることを人々に伝えたり、霊界での生活の様子はどうかを報告してくれました。その中で、初めて霊界から映像の受信に成功したのは1986年のことです。ドイツの研究者であるクラウス・シュライバーがテレビをつけたところ、そこには亡くなった愛する娘の姿があったと言います。他の研究でも、海辺の風景やロッジの映像を受信したという記録が残っています。
誰しも霊界と交信できる時代は来るのか
電子機器は、霊媒と違って映像を受信できるというメリットがあります。しかし、あの世はこの世の物質的現実とは異なる点が多くあり、先の研究で受信した映像が本物の霊界の姿なのかは疑問が残ります。また、電子機器を使うことによって、霊媒の力を借りずとも霊界との交信ができるかと言えば、少なくとも現時点ではそうでもありません。霊界との交信が成立するためには霊的なエネルギーがある場所が必要ですし、単独で交信を行う場合は、本人の霊的資質が要求されます。3つのラジオを使った方法が公開されていますが、周波数の微妙な調整や様々な条件がそろわないと、やすやすと霊界の声を拾うことはできません。以上のことからも、まだしばらくの間は、霊能者の力を借りて交信を行った方が確実だと言えます。